ファンドオブファンズは実質的に不要?
投資信託は積立NISAや確定拠出年金など政府も後押しする初心者に向いている投資商品となりますが、まだまだ投資を始めていられない人が多いのが現状ではないでしょうか。そこで、今回は投資信託で耳にするファンドオブファンズという投資形態についてどういうものなのか?や、投資形態の見分け方や、ファンドオブファンズって必要なの?というところを紹介していきたいと思います。
ファンドオブファンズとは
複数の投資信託を投資対象とする投資信託の事です。ファンドオブファンズ形態の投資信託のメリットは様々な投資対象に分散投資出来ると言う事で、運用の安定性が高くなると言うメリットがあります。一方で、投資信託の中に更に投資信託が入っているので、信託報酬も二重になりコスト高になると言うデメリットもあります。
ファンドオブファンズの見分け方
ファンドオブファンズ方式を取っている投資信託を見分ける為には、各投資信託の目論見書を確認します。
今回は筆者が利用しているSBI証券で確認する方法を紹介します。
(1)まず、確認する投資信託のページに行き、目論見書をクリックします。
※以下の図の赤枠で囲った部分です。
(2)目論見書の「閲覧」をクリックします。
も
(3)目論見書の中身の投資形態を確認すれば分かります。
以下の図はeMAXIS Slim バランスの目論見書ですが、投資形態はファミリーファンドになっているので、ファンドオブファンズではなさそうです。
ファンドオブファンズとファミリーファンドの違い
ファンドオブファンズは複数の投資信託を一つの投資信託として販売している投資信託の事でした。では、ファンドオブファンズ以外の投資方式であるファミリーファンド方式との差はどうなるのでしょうか?
ファミリーファンドはマザーファンドと言う親ファンドが実質的な投資先となり、投資家はマザーファンドの子となるベビーファンドを投資信託として買う方式となります。
では、ファミリーファンドとファンドオブファンズの違いは何でしょうか?
それは、ファンドの運用を行うのが1社になるか2社になるかの違いです。ファミリーファンドのマザーファンドとベビーファンドは同一の運用会社になるので信託報酬は1社にのみ払う事になりますが、ファンドオブファンズは投資家が買った投資信託の運用会社と、運用先の投資信託の運用会社の2社に信託報酬を支払う必要があるので多くの場合、信託報酬が割高になってしまいます。
ファンドオブファンズの投資信託
ファンドオブファンズの投資形態を取っている有名ファンドはセゾン投資でしょう。
このセゾン投信の信託報酬を確認してみると、以下のようになっていました。
信託報酬は年0.5724%(税抜 年0.53%)となっていました。
この他にファミリーファンド形態のバランス型投資信託としてeMAXIS Slim バランスがありますが、eMAXIS Slim バランスの信託報酬は"0.22572%以内"となっており、約倍近く違うことになります。
以下は、eMAXIS Slim バランスの信託報酬の画像となります。
ファンドオブファンズ形態の投資信託は不要?
では、ファンドオブファンズ形態の投資信託は不要なのでしょうか?理論上は以下の図のように、ファンドオブファンズの投資対象投資信託は目論見書を見たら明記されているので、自分で運用した方が信託報酬が安くなり不要となります。
ただ、自分でポートフォリオを組んで海外のファンドを購入して、リバランスをしてという事も忙しくサラリーマン・OLや主婦難しいかと思います。このような人達には向いている商品だと思います。
このため、実質的には必要であると考えています。
まとめ
如何でしたか?ファンドオブファンズについて理解出来ましたでしょうか?
今回はファンドオブファンズの一例としてセゾン投信について紹介しました。
ファンドオブファンズは信託報酬が高くなりやすい傾向にあるので、ネット証券が流行っている現在ではそこまで人気のないものになっています。
ただ、忙しい人達にはまだまだ利用しても良い商品かも知れませんが、今回少し紹介した低コストのファミリーファンドでもバランス型のそこそこ良い投資信託が出てきているので、ネット証券を利用する人はeMAXIS Slimバランスのような商品の方が良いかとは思います。
投資を始めようと考えている人はどうしたら良いのか分からず、とりあえずバランス型を選ぶ人が多いように思いますので、バランス型の投資信託を選ぶ際は本記事を参考にしてもらえればと思います。