埋没コストの考えは投資判断を鈍らせる訳とは?
皆さんは投資において、過去の安値を気にして投資に踏み切れないという状態になったことはありませんか?
また、投資に踏み切れなかったことで、「あの時、投資しておけば。。。」と後悔したことはありませんか?
筆者は何度もあります。
多くの投資家は過去を見て悔しくなる事を経験していると思います。
今回は、このような過去の安値によって判断を鈍らせることを埋没コストと絡めて説明していきたいと思います。
埋没コストとは?
埋没費用(まいぼつひよう、英: sunk cost 〈サンクコスト〉)とは、事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のこと
Wikipedia参照
BABOKと呼ばれるビジネスアナリストの知識体系の中で用いられる用語で、既に使用済みの過去のコストの事を指します。
BABOKでは、埋没コストを意識する事は失敗例として考えられています。なぜならば、過去コストの話を蒸し返しても未来の利益には関係なく、建設的で将来志向の行動を阻害するからです。結果として、より良い案があっても実行されず、現行維持となり成長鈍化に繋がるというものです。
では、埋没コストが投資にどう関連するのか紹介していきます。
埋没コストの考えは投資判断を鈍らせる訳
例えばオリエンタルランドを株価6,000円の時に買い、株価8,000円の時に売却したとします。
しかし、よくよく考えるとまだまだ上がりそうだと思い、株価9,000円の時に買おうか迷います。理論株価や各種指標からは割安で今後も利益拡大していく予想です。この時に、以前は株価8,0000円で売っているから株価が8,000円付近になるまで買うのはやめておこうと考えます。
この考え方は、埋没コストを考えているようなもので、典型的な失敗例だと考えられます。
では、結果として現在はどうなっているかというと、オリエンタルランドの株価は10,000円越えとしっかりとプラスになっているのです。
埋没コストとなる過去の経験や情報に囚われて投資活動を行えなくなる事は、投資判断を誤る典型例となります。
もちろん、買わなかった事で将来的に発生するかも知れない大暴落を避けられるかも知れませんが、大暴落は予想することは難しいので、我々投資家は常に現状保有している情報を元に行動するしかなく、それが最善の行動となるはずです。
投資判断の正常化させる方法
投資判断を正常化させる為の方法としては、自分の中で投資ルールを定める事でしょう。そして、投資ルールに従って淡々と実行に移すだけにする事です。
もし、割安か割高かの判断が分からないから、いつもチャートで値下がりしている銘柄しか狙えないなんて状態であるならば、企業の本質的な価値から見て現在株価が割安かどうか判断すると良いと思います。
企業の本質的価値については以下の記事にまとめてあります。
まとめ
いかがでしたか?
埋没コストはBABOKの考え方ですが、ビジネスの世界だけでなく投資の世界でも似たような事が言えます。
過去の情報から傾向分析し、将来予想を立てることは重要なことです。しかし、過ぎ去ってしまった情報に執着する事は失敗の原因に繋がりやすいので、気を付けていきたいものですね。
多くの初心者投資家は、「あの時買おうと思っていたのに。。。」と考えて、永遠と行動できず、いつしかよく分からないけど、資金が余っているから"なんとなく"買うという中途半端な投資をしがちなので、気を付けていきたいものですね。
これからも、投資に関する独自の視点で気になる情報をお届けしたいと思いますので、気になった方は読者になって頂ければと思います。